STM32CubeIDE 1.10.1 で生成したコードには次のような著作権表示が含まれます。それを読むと、ルートディレクトリの LICENSE というファイルに従ってライセンスされる、とあるのですが、LICENSE ファイルは生成されません。いったい、どのように解釈したらいいのでしょう?
* Copyright (c) 2017 STMicroelectronics.
* All rights reserved.
*
* This software is licensed under terms that can be found in the LICENSE file
* in the root directory of this software component.
* If no LICENSE file comes with this software, it is provided AS-IS.
「If no LICENSE file~」を読むと、LICENSE ファイルがない場合は「AS-IS」で提供されるとあります。字面をそのまま読むと、生成されたコードの著作権は STMicroelectronics 社が持っていて、再配布や改変などは一切許諾されない(一般的な著作物として取り扱わねばならない)のでしょうか?そうだとすると、自分で生成したプロジェクトのソースコードなのにGitHub で公開したりできません。
ST のコミュニティサイトに Sources from ST licensed "AS-IS": What does it mean? という質問が投稿されていました。この質問に対する JGIRA さんからの一連の回答がまさに欲しい情報でした。
JGIRA さんによれば、自分で任意のライセンスを選択して LICENSE ファイルを置くのが正しい処理だそうです。ライセンス選択に際しては、プロジェクトに含まれる他のファイル(自動生成ではないファイル)のライセンスと競合しないことにさえ注意すれば良いようです。どういうことかというと、例えば GPL でライセンスされたソースコードをプロジェクトに含める場合は全体として GPL になるなどです。自動生成以外のファイルは全部自分で作るぜ、という場合は、好きなライセンスにすることができそうです。
JIGRA さんの回答の信頼性が気になるところですが、「ST Employee」と表示されているため STMicroelectronics 社の社員さんなのだろうと思います。ということで JIGRA さんの回答は信頼できそうですね!
ライセンスは自分の好きなものに設定できるとしても、ファイルの著作権は STMicroelectronics 社が変わらず持っていることは変わりませんので注意してください。「Copyright (c) 2017 STMicroelectronics.」の表示は消してはいけません。CubeIDE で生成したファイルは USER CODE BEGIN
と USER CODE END
の間に独自の記述が行えるようになっています。ファイルに独自の改変を加えた場合は STMicroelectronics と自分の共同著作物ということになるため、自分の名前の Copyright 行を追加するのが良いでしょう。