作品作りを主テーマとしたメニューを以下に掲載します。状況に応じて、下記メニューをそのままやったり、改変したり、あるいは全く新規のメニューを考案します。受講者のレベルや興味、要望に沿うようにしますので、ご安心ください。メニューは随時増えます。
非安定マルチバイブレータでLEDを点滅させよう
非安定マルチバイブレータという発振回路でLEDを点滅させます。この回路は10個ほどの電子部品で構成できるシンプルな回路ながらも、周期的に発振する面白い回路です。LEDを好きな周期で点滅させることができます。
回路図を説明した後、ブレッドボードを用いて受講者自身に実装していただきます。ブレッドボードとは、はんだ付け不要で回路を組み立てることができる基板のことです。実装が終わったら電源を接続して動作の様子を観察します。デジタルマルチメータやオシロスコープを使って、各部の電圧変化を観察し、LEDが点滅する仕組みの理解を目指します。
オペアンプを利用した非安定マルチバイブレータ
オペアンプを用いることで、さらに少ない部品点数で非安定マルチバイブレータを構成できます。オペアンプの原理を知って、使いこなしましょう。
ディスクリート部品で作るモータドライバ
正転、逆転、ブレーキができるモータドライバを、ディスクリート部品だけで作ってみます。トランジスタ4つを使ったHブリッジ型のドライバです。
7セグLEDによる電光掲示板
マイコンを使い、複数並べた7セグメントLEDに数字や文字を表示してみます。ダイナミック制御という、目の残像を利用した点灯制御方式を用いることで、少ないピン数で複数桁のLEDを点灯させます。ダイナミック制御は7セグメントLEDに限らず、大量のLEDを使うLEDキューブなどにも応用できます。
使用するマイコンは、標準ではArduinoあるいはPICとなります。受講者さんの扱い慣れたものを持参して使っていただくことも可能です。マイコンのGPIOは「LEDの数+7本」だけ必要です。例えば8桁の表示器を作る場合は15本以上のGPIOがあるマイコンを使います。オプションとして、3to8ラインデコーダICを足すことで10本に、さらにカウンタICを足せばたったの8本に減らすことが可能です。
焦電センサで人を検知しよう
焦電センサを用いることで人や動物などの動きを検知できます。検知して何をするかは皆さんのアイデア次第! LED を点灯させたりモーターを回したり。WiFi に接続できるマイコンを使えば LINE に通知を送るようなこともできちゃいます。
オペアンプで作るバンドパスフィルタ
オペアンプを用いると、興味のある周波数の信号のみを増幅し、その他を除去するアクティブフィルタを構成できます。 この回路は焦電センサの出力を増幅するためのアンプとしても活用されます。
実際の回路を組み立てるだけでも面白いですが、興味があれば交流回路の計算理論もご説明します。 バンドパスフィルタのカットオフ周波数の求め方が分かります。参考記事:オペアンプを用いたバンドパスフィルタの特性を計算で求める
ユニポーラステッピングモーターを回してみよう
ステッピングモーターというのは、センサーなしで正確な角度を回せるモーターです。 1パルスあたりの角度が決まっていて、マイコンなどから希望のパルスを出すことで希望の角度に制御できます。 モータードライバIC「TB67S158NG」を利用して、ユニポーラステッピングモーターを回す方法を学びます。
オリジナルプリント基板製作
プリント基板の設計と製造を体験します。 プリント基板というのは配線済みの基板のことで、様々な電子機器に使用されます。配線済みのため、部品を半田付けするだけで回路ができあがります。 KiCadという回路図CADを使い、回路およびプリント基板を設計します。設計できたら、ラボにあるKitMill CL200を使って銅貼基板を切削し、プリント基板を製造します。 題材にする回路はご自分で作りたいものでも、サンプルとしてこちらで用意したものでも可能です。サンプルとしては、例えばLEDを点滅させる回路(非安定マルチバイブレータ)などがあります。